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SES(客先常駐)のビジネスがメインのIT企業では、入社後に新人向けのプログラミング研修をします。研修内容が充実している会社も多く、プログラミングスクールと新人研修の両方を受講した人の感想も紹介しています。
IT企業の新人向けプログラミング研修の内容
新人研修は、自社または外部委託で行います。SESメインの会社は、自社内にエンジニアが不在のため、外部委託することが多いからです。そのため、色んな研修スタイルがあります。研修は、約3ヶ月間が一般的です。
その一例を紹介します。
ビジネスマナー
社会人になりたての新卒エンジニアは、最初にビジネスマナーを叩き込まれます。良くも悪くも、エンジニアはコミュニケーションが苦手な方が多いです。
文系パリピーとは異なり、教室の端っこで本を読んでいるような方が多いです。パリピーな人は、上下関係の厳しい環境で育ってきているため、ビジネスマナーが身についている方が多いです。しかし、理系出身エンジニアは、ビジネスマナーが苦手な方が多いです。
そのためというわけではないですが、客先に常駐するため、失礼のないように最低限のビジネスマナーを教えてもらいます。なお、新人研修で欠勤や遅刻が多いと、クビになる場合もあります。目覚まし時計でしっかりと起きましょう。スマートスピーカーもオススメです。
Echo Show 5 (エコーショー5) 第2世代 - スマートディスプレイ with Alexa、2メガピクセルカメラ付き、チャコールまた、プログラミングスクールはお金を払う立場でもあるため優しいです。しかし、企業の研修はお客さまからお金をいただけるように研修をするので、綺麗ごとは少なくて厳しいです。そのため、ヒューマンスキルは、企業での研修の方が成長するでしょう。
挨拶(敬語、謙譲語、尊敬語など)
研修では、敬語や謙譲語、尊敬語を教育するところがあります。これも、お客様先で作業をするため、会話で失礼のないようにするためです。
国語をしっかりと勉強してきた方には、問題がないでしょう。たまに、地方から都会にやってきた新入社員のなまり癖が強く、楽しい研修になることもあります。アニメや漫画の影響で、理系は方言萌えが多いので、この瞬間に恋に落ちることもあります。ちょろいですね。
まずは社会人として、最低限の言葉づかいをしっかりと勉強しましょう。なお、大阪では、関西弁が許される会社が多く、それほど気にしないところも多いです(逆に敬語は気持ち悪がられます)。
名刺交換
客先常駐では、名刺交換が必須です。自社の名刺を使うこともあれば、中間営業代行会社の名刺を借りて、名刺交換することもあります。一人で3、4種類の名刺を持つこともあります。
それほど重要な名刺交換なので、ビジネスマナーとして練習をします。新人研修は、合同研修になることも多く、他社の新入社員と名刺交換をすることもあります。人脈を広げるチャンスでもあるため、しっかりとアピールしましょう。
メール、電話対応
客先常駐では、メールや電話対応をすることが多いです。そのため、メールと電話対応の練習をします。合同研修の場合、他社の上司から電話が来ることもあります。
パリピーな人は、難なくこなしますが、理系の人は電話対応が苦手な方が多いです。事前に、電話対応の練習をしておきましょう。一人暮らしの場合、両親に感謝の電話をするのもいいでしょう。電話での緊張感をなくすことが大切です。
メールは、パソコンが得意な方であれば、文字は容易に入力することができ、ビジネスメールもテンプレートのようなものなので、文章は難なく作成できるでしょう。送信先や誤字脱字などのチェックには時間がかかります。これはベテランエンジニアでも同様です。
訪問・面談・面接の仕方
客先常駐をする前に、常駐先に訪問をして面談を行います。研修では、その一通りの流れを練習します。面談担当者が、スキルシートを元によくある質問をします。新入社員なので、技術に関して深い話をすることはありません。主に、人間性をチェックします。そのため、話し方やNGワード的なノウハウを教えてもらうことになります。
グループディスカッション
合同研修や集団研修の場合、グループディスカッションをします。採用試験にあるような内容と似ています。コミュニケーション能力をチェックされるので、与えられた役割をしっかりとこなしましょう。
テーマを与えられて、討論や議論(ディベート)をします。最終的には、それぞれのグループで発表をします。
パソコン基礎
ビジネスマナー研修が終了すると、パソコン研修に入ります。最初は、よく使うソフトウェアの設定などを行います。
- ブラウザ
- メール
- 研修で使うソフトウェア
などになります。
パソコンの簡単な操作方法やタイピング測定をすることもあります。しかし、タイピング練習は数回程度なので、日頃から練習しておきましょう。この段階で、見込みがないと上司に思われたら、いい現場に入ることはできません。
パソコンスキルは一長一短ではないので、IT企業に就職が決まった段階で、ブラインドタッチとショートカットキー程度はできる必要があります。
Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)、VBA(Visual Basic for Applications)
客先常駐の案件では、Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)をよく使います。そのため、ソフトウェアの使い方を練習します。
オフィス製品は
- 要件定義書
- 基本設計書
- 詳細設計書
- テスト仕様書
- 課題管理表
など、さまざまなドキュメント作成に利用します。
また、VBA(Visual Basic for Applications)の研修がある場合があります。客先常駐では、VBAの案件が多く、需要があるからです。大手企業だけでなく、中小零細などでもVBAは利用されています。そのため、案件でVBAでのプログラミングをすることもあります。
Web系企業では、GoogleなどのWebサービスが利用されていますが、客先常駐ではWindows系のソフトウェアが多いです。
プログラミング基礎
本題のプログラミング研修を行います。プログラミング言語は、会社によって異なります。
- C
- C++
- C#
- Java
などの言語が多く、Web系(PHP、Rubyなど)は少ないです。客先常駐で利用するプログラミング言語に合わせて、選ばれています。
- アルゴリズム
- フローチャート
- 変数
- ifなどの分岐処理
- forなどの繰り返し処理
- オブジェクト指向(class)
- 関数(メソッド)
などをメインに学びます。参考書1冊分のボリュームです。
ここでは最低限の基礎を学びますが、期間は2週間程度であり、大学や専門学校よりハイスピードです。ついていけない新入社員もこの辺りで出てきます。理系出身の新人が活躍するところです。異性に教えてあげると、恋愛に発展する場合もあります。ぜひ活躍しましょう。
データベース、SQL
システム開発には必要不可欠なデータベース(DB)とSQL(Structured Query Language)を学びます。
- データベースとは
- RDB(リレーショナルデータベース)とは
- CRUD(CREATE、READ、UPDATE、DELETE)などのデータ操作
- 検索、テーブル結合、関数など
を中心に学びます。
主な流れは
- テーブルを作成する
- データを登録する
- データを検索して表示する
- データを更新する
- 複数のテーブルを組みわせる
- 応用
といった流れになります。データベースは、必須の知識なのでしっかりと学びましょう。SQLはプグラミングが苦手な文系の方でも使いこなせる人が多い印象でした。パズルのような感覚のようでした。
プログラミング応用
プログラミングとデータベースを学んだあとは、実際に連携したシステム開発をします。利用するプログラミング言語のフレームワークを利用し、データベースと連携してSQL文でデータも操作します。
この時に、SQLインジェクションなどのセキュリティ対策も学びます。Webシステムである場合は、さらにブラウザでのセキュリティも含まれます。短期間であるため、必要最低限となりますが、セキュリティを全く知らずに現場で実装してどえらいことになった人もいるので、しっかりと身につけましょう。
この研修に入る前に、1つのフレームワークを活用したアプリケーションの開発練習をしていることをオススメします。この段階で成果を出すことができると、上司から一眼おかれ、いい現場を探してくれます。ここで成果を出せないと、プログラミング適性がないという理由で、テストなどの現場に参画される可能性があります。
プログラミング開発の現場を希望する場合、研修を頼りにせず、日頃から身につけておきましょう。
チーム(グループ)開発
一通りの開発研修後、研修生でチームを組んで開発をします。チームメンバーは講師が選定することが多いです。能力が高いグループ、バランスのいいグループ、能力が低いグループなど講師が決めます。
課題(テーマ)を与えられ、そのテーマを満たす仕様を考えるところから始まります。チームメンバーで協力し、いいシステムを創ることが研修の目標です。この課題では、プログラミング能力が高い人がリーダーに選ばれることが多いです。人間性よりも技術的なところが優先されます。
2週間程度の期間を与えられ、四苦八苦しながらシステム開発を進めていきます。プログラミングとデータベースの組み合わせに慣れているメンバーがいるチームは、かなり順調に進んでいきます。しかし、そのようなメンバーがいないチームは、かなり苦戦をすることになります。研修なので、成果を出さなくてもいいのですが、適性は会社が判断しています。先ほども説明した通り、ここでの結果が初めての現場に影響があります。
この段階でリーダーになれたのであれば、高評価はほぼ確定です。研修後の現場は、比較的他者よりいいところに参画できるでしょう。
作品発表会(プレゼンテーション)
完成したシステムを発表します。発表中にシステムエラーで止まることも多く、講師や上司、先輩から突っ込まれます。「なぜそのような仕様にしたの?」というような質問もあるので、創った内容は理解しておく必要があります。
ここまでで、大体3ヶ月間程度となります。会社によってはもっと短いですが、このボリュームをしっかりと研修するならば、この程度の期間が必要でしょう。
プログラミングスクールと会社の新人研修を両方受講した感想
実際に、プログラミングスクールと新人研修を両方受講した人に話を聞いてみました。
どちらがよかったか?
会社の新人研修の方が評価が高かった
ほとんどの新人が「会社の新人研修の方がよかった」と話をしていました。
その理由は、
- プログラミングスクールは汎用的な内容であった
- 新人研修は会社の技術とマッチしている
- 現場に近い研修内容であった
- 講師の技術力が高い
- カリキュラム以外のノウハウを教えてくれる
- 同じ会社のメンバーなので親身になってくれる
などの理由がありました。
やはり会社が行う研修は、会社のビジネスにマッチしている研修のため、満足度が高くなりました。よって、IT企業が行うプログラミング研修は、質が高いと評判でした。
さらに、給料を貰いながら学べるので、最高の環境でもあります。
新入社員は新人研修が始まる前にも勉強して有利な立場になろう
以上が、SES企業の新人研修の内容でした。
入社できることは嬉しいことなのですが、研修があるからと安心してはいけません。内定をもらってからすでに勝負は始まっています。最初に苦労するか、後から苦労するかの違いです。最初から差をつけておくと、上司に気に入られ、スキルアップする案件に参画させてもらえるでしょう。