目次
SES(客先常駐)をしていると、優秀なエンジニアは引き抜き行為(スカウト)を他社からいただくことがあります。この引き抜き時の条件提示は衝撃的な内容が多く、その内容を紹介します。
引き抜き時の衝撃的な条件提示
現状の給料と比較して大幅な昇給
SESの昇給ペースは緩やかに安定していく
SESでプログラマやシステムエンジニアとして働いていると、役職がつかない限りは昇給は比較的ゆっくりと上がっています。これは、SESのビジネスモデルが急激に大きな利益を生み出すものではなく、比例して上昇していくビジネスモデルであるためです。よって、中小企業では基本給が3,000円から5,000円ほど上昇することがよくあります。そのため、単純計算では10年勤めても、3万円から5万円程度しか月給が上昇しません。
SESエンジニアの引き抜き時の昇給は10万円を超え
しかし、引き抜き(スカウトやヘッドハンティング)の場合、条件提示が現在の給料に10万円ほど上乗せした金額を提示してくる場合があります。
- 上位SIerのSES会社
- エンジニアの増員をしたい受託会社
- サービスを開発したいベンチャー企業
など、引き抜き先は多数存在しています。そのような会社は、採用するための予算の出し惜しみをしないことが多く、好条件となることが多いです。よって、優秀なエンジニアは多数の会社から引き抜き行為を受け、転職していくことが多いです。
SES会社は意外と優秀なエンジニアに対して、給料の出し惜しみをしている会社が多いです。なぜなら、客先常駐のためエンジニアの評価をまともにすることができないからです。そのため、年功序列制度を採用しているSES会社は、優秀な人材が流出していくリスクが高いです。優秀なエンジニアは高待遇とし、離職されないようにしないといけません。
魅力的な案件へのアサイン
現状の仕事内容に不満があるエンジニアがターゲット
会社の仕事は、安定時に入ってくると同じ業務をしばらく続けていくことがあります。職務経歴書に同じプロジェクトが数年間続くなんてこともザラにあります。特にSESの場合は、優秀なエンジニアは現場から撤退させたくないため、お客様も手放しません。
しかし、エンジニア目線では多数のプロジェクトを担当する方が、技術の幅が広くなり知識も増えていきます。SESの場合、常駐先の現場に依存するため、会社が新しい案件を用意することは現場を変えない限り厳しいです。そのような現状に不満がある優秀なエンジニアが、引き抜きの対象となります。
他社案件は「隣の芝生は青く見える」
引き抜き時の魅力的な条件は、給料面だけではありません。現状の仕事内容に不満を持っている優秀なエンジニアに、希望する業務内容を用意してくれることも多いです。そのため、給料は現状維持でもスキルアップにつながる魅力的な仕事の場合は、引き抜きに承諾して転職することも多いです。
会社にとって給料アップすることは可能ですが、技術面に関しては会社の営業力や技術力に影響されてしまいます。よって、エンジニアからすると早く転職した方がスキルアップすることができます。
会社組織は日々の業務内容も大切です。しかし、エンジニアは日々変化を与えていくことが大切です。そうしないと、エンジニアのキャリアアップの不満に繋がってしまいます。そのため、エンジニアの希望するキャリアプランをヒアリングし、将来的に担当できるような道筋を用意しておく必要があります。将来の道筋が見えない場合は、引き抜き行為をOKして簡単に転職していきます。
出社しないという働き方の選択
SESはプロジェクト先に出向するため都会に住む必要がある
最近の引き抜き行為は、会社近辺に住んでいるエンジニアだけはなく、遠方のエンジニアも対象です。例えば、東京の会社が沖縄に住んでいるエンジニアをスカウトすることもあります。それは、在宅勤務(リモートワーク)が一般的になってきたため、遠方の優秀なエンジニア採用できるようになってきたからです。
元々、会社の近くに住むことはメリットがたくさんありました。
- 通勤時間や移動時間が短く住む
- 頻繁に現場が変わっても現場は都会に多い
- ビジネス街のセミナーなどに参加しやすい
- 時間が増えるのでスキルアップのための勉強時間が確保しやすい
などあります。その反面、デメリットもたくさんあります。
- 家賃や駐車場などが非常に高い
- 人が多く、どこに行っても混んでいる
- 自然が少なく、ショッピングや設備利用以外の娯楽は遠方に行かないといけない
などがあります。そのため、コストパフォーマンスが人によって大きく異なります。
都会に住んでいない人は、通勤に片道2時間とかかかるため、出勤で大抵力尽きています。これではパフォーマンスは発揮できないでしょう。
リモートワークはコストパフォーマンスが高い
ここ最近ではリモートワークが普及してきたため、遠方の優秀なエンジニアの採用が積極的にされています。地方に住みながら、都心の会社に就職することは、先ほどのメリットとデメリットのハイブリッド構成となります。完全にデメリットが無くなるということはないのですが、今までの出社するという選択肢しかなかった時代と比較するとメリットの方が多いでしょう。オフィスがある場合は、希望者は出社することももちろん可能です。
知人エンジニアにアンケートをしたところ、リモートワークをしたいという声が大多数でした。都会で暮らし始めたことにより、諦めた趣味がある人も多かったです。そのため、どこでも働くことが可能なリモートワークは魅力的な提案材料の一種となります。リモートワークの場合、朝にサーフィンすることも可能です。
引き抜き先の会社の能力が高い
現状の会社に尊敬できるエンジニアは在籍しているか
日本には、たくさんのSES企業が存在しています。お給料は大差ないのですが、会社の環境に大きな差が出てしまうことが多いです。
- 給料以外の魅力が何もない
- 先輩や上司から学べることがない
- 差別化できる福利厚生もほとんどない
- 会社に属しているがソロプレイヤー近い
薄利多売のビジネスのため、弱小SES企業では他のSES企業をあっと言わせることができない会社が多いです。そのような会社に属している優秀なエンジニアは、ドライに考え、転職できる状態になれば転職していきます。
能力の高い環境に飛び込むことが成長になる
引き抜き行為をしている会社は、優秀なエンジニアを集めている企業が多いです。
- 上場している会社
- スタートアップだが経営者が有名な人
- 外資系IT企業
などには優秀な人が集まってきます。オフィスや福利厚生にも力を入れている会社もあります。成長したい場合、このような会社に入社する方が、スキルアップや人脈形成にも繋がります。給料以外の価値が会社に存在するからです。
中小SES企業でも、大企業とコネクションがある場合がありますが、発注側がどちらかで立場が異なります。より技術力が高く、安価な会社が出てきた場合は乗り換えられることもあります。その人脈が自分にどう影響があるのか考えましょう。
SESの優秀なエンジニアは魅力的な提案がきた場合は転職していく
勉強熱心で優秀なエンジニアは、業界のアンテナをしっかりとはっています。もし、現状の会社に不満があった場合、ちょっとした勧誘で心がときめいてしまい去ってしまいます。
組織はそれを防ぐために、多少は優秀なエンジニアと優秀ではないエンジニアを差別する必要があります。その差別はお給料だけではありません。優秀な高校は、生徒の髪型や服装が自由という校則のところもあります。優秀なエンジニアも、自由な環境を与えるだけでさらにパフォーマンスを発揮してくれる人もいます。お金をかけずとも、魅力的な会社にすることもできるのです。お給料を増やすだけではありません。
技術力の高いエンジニアは、お給料以外の要素を大事にしている人も多いです。今一度、エンジニアの声を拾いましょう。ヒアリングした結果をリスト化し、優先順位とコストを計算し、可能な内容から実現していく必要があります。気づいた時には、優秀なエンジニアが全員離職し、使えないエンジニアだけが残ってしまうリスクがあります。